パート5対策の定石、出る1000の是非
パート5はリーディングパートでまず手を付けるべき方が多いパートです。

ある程度の型と慣れにより5割程度ぐらいまではスムーズに安定させることができ、文法や語法の知識を蓄えられるのでその後のリーディングパートの学習にも有利に働くことが期待できるためです。
5対策の中でもとくに有名なのが出る1000です。
この本は間違いなく地力を上げてくれる本なのですが、一方で罠もあるため、手を付けるべき人や向かない人などの事情を紹介しておきます。
出る1000とは?
出る1000はtoeic満点連続取得講師のtex加藤氏が作ったため、問題的にも本試験における信用的にも安心して使えるパート5対策の本です。
パート5はとにかく多様な問題に触れ、即座に判別できるまで繰り返し解いていくのが良いのですが、摸試などで遭遇するのは30問しかありません。
そのため、8割や9割などの高い点数帯で安定させようとするとどうしても物量が足りなくなります。
そこでこの1000もの問題量が頼りになります。
これほどの物量を掲載している書籍は他にはなく、加えて別冊の問題をまとめた冊子も付いてくるため復習も2パターンできることがかなり良いです。
総じてパート5の上澄みを狙うならばとてもおすすめできる一冊となります。
出る1000をやるべき人とは?
出る1000をやるべき人は単純です。パート5で高得点を狙いたい人です。

収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則というのをご存じでしょうか?
物事は時間をつぎ込めばつぎ込むほどやがて成長率が悪くなっていくという感じです。
代表的な例としてはテストにおける8割以上のラインからの上昇率の悪さが挙げられますね。
学校のテストは誰しもが受けているものです。テストで70点ぐらいまでを取ることと90点以上を狙う場合では労力が全然違うことが分かりますよね。
実際のところ物事は0から始めても6割ぐらいのラインまではスムーズに上がります。
そこから7割8割と上げていくにつれて同じ時間を投資しても成長が鈍くなるものです。

toeicでいうならば上位帯のスコアを狙う場合には出される問題文のトピックにたくさん触れて初見で分からないトピックを減らす必要があります。
そうすると必然的に英語学習につぎ込んだ時間に対し成長が鈍化するのはイメージが付きやすいですよね。
これが収穫逓減の法則です。
なぜこの話をしたのでしょうか?つまり出る1000をやる人はそうした上位層を目指す人であり、パート5が既に7~8割ラインで安定しており、パート5で9割以上を取りたいという人がとにかく問題を解いて回答のパターンや方法のマニュアル化を目指す際にこの1000問以上の出る1000が役に立つのです。
つまりこの本は800や900を現実的に目指せる人向けかなと個人的には考えています。
出る1000が向かない人
これは私は学習初期の人であると思います。

個人的にはパート5が5割安定しないラインでやってしまうのはもったいないかなと思いますね。
もちろんパート5が好きで好きなパートをたくさんしたい学びたいという方は挑戦して構わないと思います。
5で学ぶ語法や文法は今後とてもためになりますし、5は文章自体も短いので精読の労力が少なく済み、挫折を減らしてくれる可能性もあると思います。
自分の意志と目的を考えた上でやるなら初心者でもアリです。
ただし、有名な本だからという理由で飛びつくのはお勧めしません。
この本は1000ちょいの問題があり、手を付けてしまうと果てしなき道のりになります。
学習初期で学ぶことがたくさんある段階で出る1000に手を出せばいつまでも進まず、回答も分からず、英語って難しすぎだろうと思ってしまうはずです。
加えてそれだけの時間をつぎ込んだとしても点数が伸びる可能性を強く秘めているのはパート5の30問なんですよね。
私が思うにはもっと伸びしろがあるパート2,3,4,などのリスニングパートや、リーディングパートも満遍なくやってから弱点補強兼収穫逓減の法則を物量でカバーするように使う方が効果的なのではないかなと思います。
目的をもって初めて手を付ける。決して評判で利用すべきではない特効薬が出る1000ではないかなと思っています。
出る1000の前にお勧めする本
じゃあ初心者はパート5対策どうしろっていうんだよという声も上がりそうです。

これについては私は究極のゼミシリーズをとにかく0から始めた方にお勧めしています。
この本はイイですよ。他記事で語っていますので詳細はそちらにといいますが、摘要すると。
ビギナー、600ライン、800ラインの3人の登場人物と授業を受けている風にテキストが進むんです。
自然とこのレベル帯なら解ける問題なんだなあというのが分かるとともに、toeicに出題される基本的な問題パターンとその対処方法が学べるため、初心者にはまさに欲しい情報が集まったテキストとなっています。
パート5はとりあえず究極のゼミをやり、それで不足したら出る1000に移行するというのが私のやったルートです。
これならば出る1000では教えてくれない解法と下地を鍛えたのちに出る1000に挑めるため、言うならばウォーミングアップをした抜群の状態で出る1000の壁に挑めます。

究極のゼミもそれなりのボリュームがありますので、挫ける可能性も減りますし、何より出る1000の少ない解説でも十分分かるようになります。
おススメのコンボです。
出る1000で挫折しないよう計画はしっかりと
出る1000は挫折率がとても高いテキストであると思います。

一方で本記事の収穫逓減の法則を理解すればこれがパート5対策で上澄みを目指すうえで必要不可欠なのもよく分かるかと思います。
大事なのは順序と熱意です。
順序が正しければこの本は成長を確実に感じられる良書です。また、他人の意見ではなく、自身で目的を持って取り組むならば初心者でも挫折することなく続けることができます。これは熱意です。
新しいテキストを買って挫折してしまうことがないよう、考えてこの本を活用していきましょう。
この本はスクワットのように負荷が高いですが、その文効果も強力ですよ。






コメント